昔の「牛飼い」というのは、庭先に数頭だけ飼っており、毎日の餌やりや除糞作業の時に牛達を観察し牛の体調管理を行っていたと思います。 それが近代の畜産になり多頭化し、1万頭規模のギガファームも珍しくなくなりました。しかしながら、私が思うに牛飼いの究極は「完全なる個体管理」だと思っています。 それは、1000頭、10000頭以上いても同じです。

uMotion

完全なる個体管理を可能にするのがU-motion(デザミス株式会社)だと思います。佐々畜産では、牛の行動をモニタリングするシステムであるこのU-motionを活用しています。

U-motionには加速度センサーと気圧センサーが付いており、それぞれ次のような役割があります。

  • 加速度センサー:牛が歩き回る動態・静止・反芻などの活動を認識します。
  • 気圧センサー:牛の姿勢を判断し、立っている状態か、座っているかを区別できます。
肥育牛の方は、耳に装着するタイプの「イヤタグ」タイプ、繁殖牛にはベルトで首に装着するタイプの「ネックタグ」センサーを使用しています。

iPad screen

データはクラウド保存されており、農場の外にいてもリアルタイムに牛達の最新情報を確認することが出来ます。さらに24時間、各個体のデータを集積しながら人工知能が解析し、母牛の発情や肥育牛の疾病などの異常をアラート機能で知らせてくれるシステムがあります。これらは台帳機能も含めて日々の管理には欠かせないものとなっています。

camera

当農場ではU-motion以外にも「監視カメラ」や、お産を知らせてくれる「モバイル牛温恵」(株式会社リモート)などを農場に装備しており、分娩も含めた牛達の異常を迅速に察知できるように心掛けています。